2012年01月12日
☆No.53【終身雇用を目指せ】
なんとも時代錯誤な題名です。
近代の経営にとって終身雇用ほど悪者扱いされていたモノはありません。
様々な経営環境の変化に伴って、終身雇用を
伴った企業運営はもはや過去の遺物扱いされています。
最近では公務員ですら政治家の交代でその保障を奪われかねない状況になりました。
これらは、経営に於ける課題を終身雇用制度そのものの
否定によって解決しようとしているかに見えます。
しかし、私は、これからの企業運営こそ終身雇用を目指すべきだと考えています。
経済構造の変化や、株主重視の経営によって極限までの経営効率を求められた結果、いわゆる「デキる」人材だけを残そうとする「習慣」が昨今の経営のスタンダードとされていました。
そして、物理的に経営効率を高めた経営者が賞賛される事となりました。
私は、今、物理的にと書きました。
数字的にと表現した方が分かり易いかと思いますが、いずれにしても、人間が持つ数値化されない価値を無視したところで欧米的な価値観を評価しているようにも思います。
これは日本に於いてはまもなく限界を迎える事になると私は考えています。
理由の一つは人口構造の大幅な変化です。
言うまでも無く、急速に高齢化が進んでいます。
もうひとつは経済構造の変化です。
人口減によって土地の価値は下がり続けます。
不動産をベースとした経済構造は終焉を迎えます。
そして家が余ります。
何が起きるかというと、生活のベースとなる居住にかかるコストが大幅に下がるということです。
このような環境下では今までよりもさらに生活が多様化していきます。一般的に思われてきた標準的な日本人の生活パターン(というか人生のパターン)は、逆にマイノリティとなっていくでしょう。
このような社会環境の変化に伴って企業はその社会的役割を見直さなくてはなりません。
日本人の価値観の大幅な変化は既に若者から始まっています。
その価値観とは「豊かに生きる事」です。
「豊かに」とは、「お金を儲ける」ことではありません。
「豊かに」とは、その人の「存在意義を際立たせる」ということです。
企業に於いても同じ価値観を共有する事で、終身雇用を目指すべきだと考えています。
簡単に言うと、金銭的価値をもたらす生産性と、
人としての存在価値を全く別の視点で、また同時に評価するということです。
これを制度として昇華させるにはもう少し研究と実証が
必要ですが、企業を一つの国と捉えれば取り組みやすいかもしれません。
これらを実現するには相当の努力と時間が必要ですが、次世代の企業思想を
伴ったあるべき姿とその仕組みをできるだけ早く構築し実証していきたいと思います。
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